境界確定測量とは
土地は、自分の手の内に確固として所有できる自動車などと比べ、必ずお隣りのお土地と一体的につながって存在しています。そのうちの曖昧な状況にあるお土地の境界線を、作成・取得した書類によって法的に確定させる業務を境界確定測量と言います。
上の図をご覧ください。朱書きしているところが隣地との境界です。大抵のお土地は民有地(おとなり)のほかに官有地(道路や水路など)と接しています。民有地についてはご想像の通り、隣接地権者様にご同席いただいて境界の立会いを行ない、官有地については市町村等から『 官有地との境界線について同意した旨の証明書』の発行を申請し、取得します。
調査士の内業(資料の精査・作成)、外業(測量・探索)もすべて、関係する皆様にご同意をいただく境界線の根拠を見つけるための作業ということになります。
*取得する主な書類は2つ
官民境界証明書 | 道路・水路等、市町村の所有する官有地との境界の証明書 |
立会証明書 | 隣接する民有地との境界の証明書 |
この書類の取得を目指して様々な作業を行ないます。
目 次 |
□ 境界確定測量とは |
□ 境界確定測量の目的 |
□ 対応エリア |
□ 作業工程8つの手順 |
□ 処理完了までの日数 |
□ 境界確定測量の報酬額(費用) |
境界確定測量の目的
1、売買
最近の取引では行なうことが主流になっています。法的な義務はありませんが、過去に近代的な測量の入っていない土地の場合は登記簿の面積と実測した面積とではまず一致しないと考えるのが一般的です。過去に測量されたことのある土地についても、境界杭があるのか、越境はないのか、隣接者と揉めていないのかなどという買われる方の不安を解消し、取引を円滑にするために行なわれています。
よくご質問いただくことに費用はどちらが負担するのかということがあります。その土地を商品にするという観点から通常は売主の方が負担するというのが一般的です。ただ法的な規定はありませんので、双方の同意によって決めていただいてかまいません。お互いの自由意志という契約上の問題になります。
なお確定した面積が登記簿の記載と一致しない場合にする地積更正の登記については、登記することによって利益を得られる買主側の負担とするのが相当と思われますが、こちらも同じくお互いの契約ということになります。
■ 過去に測量の入っていない土地の面積は登記簿とまず一致しない |
■ 正確な面積、境界杭の設置などで円滑な取引を促進する |
■ 費用は売主負担が一般的。ただし法的な規定はない |
2、建築および開発行為
市街化調整区域で建築を行なう場合、境界確定は申請上の必須要件になります。
市街化区域で建築を行なう場合は各種申請時に確定測量を求められることはありません。境界が不明瞭でブロックの施工ができないとの理由からご依頼をいただくことは多いです。測量結果は建蔽率や容積率の計算にも使用することになります。
建築を伴わない開発行為の場合でも、隣接者様にご挨拶をして立会をいただくという段取りを取ることは安定的な関係を構築するという観点からとても有益です
非常に珍しい事案ではありましたが、境界線を勘違いして建物を建ててしまったという方もいらっしゃいました。隣接地がご自分の所有地でない場合は大変な問題になります。
■ 市街化調整区域で建築を行なう場合は必須要件 |
■ 市街化区域でもブロックなど構造物の施工のために行なうこともある |
■ 隣接の方とのよい関係を作る |
■ 越境に気づかずに建築物を建てた場合の不利益は大きい |
3、地積更正および分筆の登記
ご自分の所有地の境界が曖昧であったり、実測の結果、登記簿の面積が実際と違っている場合などで地積の更正登記をするとき、および分筆の登記をするときに前提の作業となります。
■ 境界が曖昧 → 立会で決まった境界杭の種類や境界線の辺長距離等を書いた図面を登記して隣地との境界線(筆界)の安定を図る |
■ 実測面積が登記よりも少ない → 固定資産税の減額を図る |
■ 実測面積が登記よりも多い → 担保価値の上昇を図る |
4、相続税の物納
境界が明らかでない土地は管理処分不適格財産となり、物納の対象になりません。よって必須要件となります。
対応エリア
さいたま市および上尾市、桶川市、北本市、鴻巣市 限定となります。
*過去にご用命いただいたことのあるお客様からのご紹介に限り、ご依頼内容によって他市他県まで承っております。
作業工程 8つの手順
1、資料の収集、精査
申請地の外枠(境界線)を確定させるための根拠を集めます。取得先は主に法務局、官公庁です。
2、隣接者様へのご挨拶
なにごとも最初が肝心です。境界を確定させるのはお互いの利益になることではありますが、気分よく立ち会っていただくために、実はここがもっとも大切なところです。
3、仮測量
現況を調査、測量します。資料があれば、実際に測量して得られたデータとの整合性を確認します。初めに申し上げた根拠を探すわけです。
4、官公庁への境界証明の申請
申請先によって異なりますが、処理までの時間がかかるため、早めに窓口への提出を行ないます。ただ、関係する箇所の杭が抜けているなどで隣接者様の立ち会いが必要なときには、工程の順番を前後させることがあります。
( 接している道路や水路等が幅の決まっていない”未査定地域”の場合は、上図のGやF様のご参加もいただくことになるので、工程が少し増えることになります )
5、境界立ち会い
隣接の方と一緒に境界点の立ち会いをしていただきます。あるべきなのにない杭については復元の根拠をご説明し、もともとない境界点についてはお話合いをしていただき、関係者様全員のご同意をいただいたあとに境界杭の測設( 設置 )をいたします。
6、境界杭の測設
なかった杭の測設をします。
7、確定測量図等、成果簿の作成
官有地との境界証明書や民有地との立会証明書、および業務に使用した謄本や地積測量図などの資料を、職印を押した確定測量図と合わせ、一冊の成果簿として作成いたします。
8、申請者様への納品
上記を納品します。また結果のご説明も致します。ご確認したいことがあればすべてお答えいたします。何なりとお尋ねください。
処理完了までの日数
一戸建ての敷地(200㎡前後)でおおよそ下記のとおりです。
標準処理期間 | 1か月前後 |
ただ過去に一度も測量が入っていない、境界線を推認できるブロック塀等の構造物がない、接している道路や水路の幅が決まっていない等、案件の状況によって相違があります。
期限が決まっている、または所有者様として多少なりとも「 大変かな 」と思われるような場合は、できるかぎりお早めに動かれる方がいいかもしれません。
境界確定測量の報酬額(費用)
200㎡前後の四角い土地で、接している官有地(道路など)の幅が決まっている。かつ隣接地権者様との紛争がない場合、おおよそ下記のとおりです。
報酬額 | 250,000円 ~ |
■ 上記の金額には調査・探索・処理にかかる報酬のすべてが含まれております
■ 法務局にある登記(謄本や地積測量図)を調査する印紙代、設置した境界杭等の実費は別途となります(通常の一戸建てほどの敷地で1万円前後)。
■ 消費税は別途お預かり致します。
ただご想像のとおり、案件ごとに振れ幅の大きいのが測量作業です。お受けするにあたっては確度の高いお見積もりを作成してからの作業となります。基本的に一度作ったお見積もり金額を変更することはありません。ご依頼者様から内容変更のご依頼があった場合、または作業上明らかにやむを得ない状況があったときでも、ご説明をしてご納得をいただいいてからでなければ追加の作業は一切行ないません。ご協力いただくすべての人に対して公正中立でなければならないのが調査士の使命ですが、当事務所は輪をかけてさらに誠実であるようにと日々自問自答しながら営業を行なっております。
一般の方にとって測量はまさに人生に一度あるかないかの大仕事です。わかりにくいとされる登記に関するご説明も含め、ご依頼者様の思いをカタチにするため、全力でサポートいたします。あなた様からのご相談を心よりお待ちいたしております。
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